第59回【共通】午前 問題96-100

共通問題 午前

96 統合失調症で正しいのはどれか。

1.急性発症は予後が悪い。
2.若年発症は予後が悪い。
3.女性は男性より予後が悪い。
4.男性の発症率は女性の約2倍である。
5.発症から治療開始までの期間と予後は無関係である。

答え

正解は 2.若年発症は予後が悪い。 です。

統合失調症は、一般的に10代後半から30代前半に発症することが多く、若年発症であるほど予後が悪い傾向があります。

その他の選択肢について

  • 1.急性発症は予後が悪い。: 潜行性発症に比べ、急性発症の方が予後は良い傾向にあります。急性発症の場合、周囲が異変に気づきやすく、早期に治療開始できる可能性が高いためと考えられます。
  • 3.女性は男性より予後が悪い。: 女性は男性より予後が良い傾向にあります。女性ホルモンのエストロゲンが神経保護作用を持つためと考えられています。
  • 4.男性の発症率は女性の約2倍である。: 男女比はほぼ1:1で、男性の発症率がやや高い程度です。
  • 5.発症から治療開始までの期間と予後は無関係である。: 発症から治療開始までの期間が短いほど、予後は良い傾向にあります。早期に適切な治療を受けることで、症状の進行を抑え、社会復帰の可能性を高めることができます。

統合失調症の予後には、発症年齢、発症形式、性別、治療開始時期、薬物療法への反応性、社会的なサポートなど、様々な要因が関わっています。

97 全般性不安障害で正しいのはどれか。

1.慢性化はまれである。
2.男性と比較して女性に多い。
3.自律神経系の過活動はみられない。
4.症状の消長に環境要因は影響しない。
5.他の精神疾患と併存することはない。

答え

正解は 2.男性と比較して女性に多い。 です。

全般性不安障害は、過剰な不安や心配が慢性的に続く精神疾患です。

その他の選択肢について

  • 1.慢性化はまれである。: 全般性不安障害は慢性的に経過することが多く、自然に治癒することは稀です。適切な治療を行わないと、症状が長期間持続し、生活の質を著しく低下させる可能性があります。
  • 3.自律神経系の過活動はみられない。: 全般性不安障害では、自律神経系の過活動がみられます。動悸、息切れ、発汗、めまい、吐き気などの身体症状が現れることがあります。
  • 4.症状の消長に環境要因は影響しない。: ストレスや生活環境の変化など、環境要因は症状の消長に大きく影響します。
  • 5.他の精神疾患と併存することはない。: 全般性不安障害は、うつ病、パニック障害、社交不安障害などの他の精神疾患と併存することが多くあります。

全般性不安障害の治療には、薬物療法と精神療法が用いられます。薬物療法では、抗不安薬や抗うつ薬などが用いられます。精神療法では、認知行動療法などが有効です。

98 ミオクロニー発作で正しいのはどれか。

1.意識消失を伴うことが多い。
2.高齢で発症することが多い。
3.数分間持続する。
4.光刺激で誘発される。
5.片側性である。

答え

正解は 4.光刺激で誘発される。 です。

ミオクロニー発作は、筋肉の突然の、短時間の収縮によって起こる発作です。

その他の選択肢について

  • 1.意識消失を伴うことが多い。: ミオクロニー発作は、一般的に意識消失を伴いません。 意識消失を伴う発作は、欠神発作や強直間代発作などがあります。
  • 2.高齢で発症することが多い。: 若年者に多い発作です。 特に、若年ミオクロニーてんかんは10代に発症することが多いです。
  • 3.数分間持続する。: ミオクロニー発作は、非常に短時間(一瞬)で終わる発作です。数秒から数十秒続く発作は、強直間代発作や複雑部分発作などがあります。
  • 5.片側性である。: ミオクロニー発作は、両側性であることが多いです。 特に、若年ミオクロニーてんかんでは、両側対称性に起こることが特徴です。

ミオクロニー発作は、てんかんの一つのタイプで、脳の神経細胞の異常な電気活動によって引き起こされます。 光刺激以外にも、睡眠不足や疲労、アルコールなども誘因となることがあります。

99 ノンレム睡眠で正しいのはどれか。

1.夢を見る。
2.陰茎が勃起する。
3.急速眼球運動がみられる。
4.心拍数が不規則に変化する。
5.成人の睡眠の大半を占める。

答え

正解は 5.成人の睡眠の大半を占める。 です。

ノンレム睡眠について詳しく説明します。

ノンレム睡眠の特徴

  • 脳の活動が低下する: 脳波が徐波になる。
  • 体の動きが減少する: 筋肉が弛緩する。
  • 成長ホルモンが分泌される: 体の修復や成長が行われる。
  • 深い眠り: 外部からの刺激に反応しにくい。
  • 睡眠時間の大部分を占める: 成人の睡眠の約75%はノンレム睡眠。

その他の選択肢について

  1. 夢を見る。 → これはレム睡眠の特徴です。
  2. 陰茎が勃起する。 → これもレム睡眠の特徴です。
  3. 急速眼球運動がみられる。 → これもレム睡眠の特徴です。
  4. 心拍数が不規則に変化する。 → レム睡眠では心拍数や呼吸数が変動しやすくなります。ノンレム睡眠では比較的安定しています。

ノンレム睡眠とレム睡眠

睡眠には、ノンレム睡眠とレム睡眠の2種類があり、交互に繰り返されます。

  • ノンレム睡眠: 脳を休ませる深い睡眠。
  • レム睡眠: 体を休ませる浅い睡眠。

健康な睡眠のために、ノンレム睡眠とレム睡眠のバランスが重要です。

100 入眠困難を訴えるうつ病患者に対する睡眠衛生指導で最も適切なのはどれか。

1.「夕方1時間以上の昼寝をしましょう」
2.「できるだけ一定時刻に起床しましょう」
3.「就床直前にアルコール飲料を飲みましょう」
4.「眠くなくても一定の時刻に就床しましょう」
5.「入眠できなくても寝床から出ないようにしましょう」

答え

正解は 2.「できるだけ一定時刻に起床しましょう」 です。

うつ病患者の睡眠衛生指導では、 睡眠覚醒リズムを整える ことが最も重要です。 毎日同じ時間に起床することで、体内時計がリセットされ、睡眠リズムが安定しやすくなります。

その他の選択肢について

  1. 「夕方1時間以上の昼寝をしましょう」: 昼寝は短時間(20~30分程度)であれば良いですが、長時間の昼寝は夜の睡眠を妨げる可能性があります。
  2. 「就床直前にアルコール飲料を飲みましょう」: アルコールは入眠しやすくなることもありますが、睡眠の質を低下させ、中途覚醒や早朝覚醒の原因となります。
  3. 「眠くなくても一定の時刻に就床しましょう」: 眠くないのに無理に寝床に入ると、かえって寝付けなくなり、睡眠への不安や緊張を高める可能性があります。
  4. 「入眠できなくても寝床から出ないようにしましょう」: 寝床で30分以上眠れない場合は、一度起きてリラックスしてから再び寝床に入る方が良いでしょう。

うつ病患者の睡眠衛生指導のポイント

睡眠薬に頼りすぎない

毎日同じ時間に起床する

昼寝は短時間にする

寝る前にカフェインを摂取しない

就寝前にリラックスする時間を作る

適度な運動をする

寝室の環境を整える(光、温度、音など)

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