61 伸張反射で正しいのはどれか。
1.侵害受容反射である。
2.多シナプス反射である。
3.求心性線維はIa群線維である。
4.α運動線維は筋紡錘内の錘内線維を支配する。
5.γ運動線維は伸張された筋の拮抗筋を支配する。
答え
3
1× 侵害受容反射とは、皮膚や筋肉などへの侵害刺激(組織の損傷や痛み)が起こったときに、痛みから遠ざかろうとする反射です。屈曲反射とも呼ばれ、別名「逃避反射」とも呼ばれます
2× 伸張反射は単シナプス反射の代表的な例です。
4× α運動線維は錘外線維を支配します。
5× γ運動線維は筋紡錘内の錘内線維を支配します。
62 運動単位で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.運動単位には求心性線維が含まれる。
2.筋を徐々に収縮すると大きな運動単位が先に活動を始める。
3.筋が収縮する際に運動単位の数が増加していく過程を動員という。
4.細かい動きが要求される筋は一つの運動ニューロンが支配する筋線維数が多い。
5.一つの運動ニューロンを刺激すると、その支配下にある筋線維が同時に収縮する。
答え
35
1× 運動単位は、運動ニューロン+それが支配する筋線維から構成されます。求心性線維(感覚神経)は含まれません。
2× 実際には小さな運動単位から活動を始めます。これはサイズの原理として知られています。
「小さな運動単位から動員され、筋力を高めるにつれて、大きな運動単位が加勢していく」
3〇 弱い筋収縮の場合、必要な運動単位数も少なくて済み、強い筋収縮の場合は参加する運動単位の数を増加させなければいけません。 これを運動単位の動員と呼びます。
4× 細かい動きが要求される筋(例:目や指の筋肉)は、一つの運動ニューロンが支配する筋線維数が少ないです。これにより精密な制御が可能になります。
5〇 「全か無かの法則」として知られており、運動単位の基本的な特性です。
63 副交感神経の機能を持つのはどれか。
1.横隔神経
2.骨盤神経
3.舌下神経
4.内耳神経
5.肋間神経
答え
2
骨盤神経 は、副交感神経線維を含み、骨盤内臓器(膀胱、直腸、生殖器など)の機能を調節します。具体的には、排尿、排便、勃起などを促進します。
他の選択肢について:
横隔神経 は、横隔膜を支配する運動神経であり、呼吸に関与します。自律神経系とは直接の関係はありません。
舌下神経 は、舌の運動を支配する運動神経です。自律神経系とは直接の関係はありません。
内耳神経 は、聴覚と平衡感覚を伝える感覚神経です。自律神経系とは直接の関係はありません。
肋間神経 は、胸壁や腹壁の感覚と運動を支配する神経です。自律神経系とは直接の関係はありません。
64 肺拡散能に影響を与えるのはどれか。2つ選べ。
1.ヘモグロビン
2.死腔換気量
3.肺胞表面積
4.気道抵抗
5.残気量
答え
13
肺拡散能について説明
肺拡散能とは、肺胞から毛細血管内の血液へ、あるいはその逆方向に、ガスが移動する能力のことです。具体的には、酸素が肺胞から血液中に取り込まれ、二酸化炭素が血液中から肺胞へと排出される過程を指します。
このガス交換の効率は、以下の要素に影響を受けます。
ヘモグロビン: 血液中のヘモグロビンは酸素と結合し、全身に酸素を運搬する役割を果たします。ヘモグロビン濃度が低い(貧血など)と、酸素運搬能力が低下し、肺拡散能も低下します。
肺胞表面積: 肺胞と毛細血管が接する面積が広いほど、ガス交換が効率的に行われます。肺気腫などで肺胞が破壊されると、表面積が減少し、肺拡散能は低下します。
その他の選択肢については、
死腔換気量: 死腔とは、ガス交換が行われない気道部分の容積を指します。死腔換気量は、肺拡散能には直接影響を与えません。
気道抵抗: 気道抵抗は、呼吸時の空気の流れにくさを示します。気道抵抗が高いと、肺胞への空気の出入りが妨げられ、間接的にガス交換に影響を与える可能性はありますが、肺拡散能そのものを規定する主要因ではありません。
残気量: 残気量は、最大呼気後も肺に残る空気の量を指します。残気量は、肺拡散能には直接影響を与えません。
まとめ
肺拡散能は、主にヘモグロビン濃度や肺胞表面積といった要素に影響を受けます。これらの要素が変化すると、ガス交換効率が変化し、呼吸機能に影響を及ぼす可能性があります。
65 線維素溶解系で働く因子はどれか。
1.カルシウムイオン
2.フィブリノゲン
3.プラスミノゲン
4.プロトロンビン
5.von Willebrand因子
答え
3
線維素溶解系は、凝固系によって形成されたフィブリン血栓を溶解する機構です。この系で中心的な役割を果たすのがプラスミンという酵素で、プラスミンは不活性型のプラスミノゲンから活性化されます。
他の選択肢について:
1. カルシウムイオン: 凝固系において重要な役割を果たしますが、線維素溶解系では直接的には関与しません。
2. フィブリノゲン: 凝固系においてフィブリン血栓の形成に関与するタンパク質です。
4. プロトロンビン: 凝固系においてトロンビンへと活性化され、フィブリン形成を促進します。
5. von Willebrand因子: 凝固系において血小板の粘着や凝集に関与するタンパク質です。
したがって、線維素溶解系で働く因子はプラスミノゲンです。
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