81 障害受容に至る5つの過程において3番目に現れるのはどれか。
1. 解決への努力期
2. ショック期
3. 混乱期
4. 受容期
5. 否認期
答え
3
正解は 3. 混乱期です。
障害受容とは、病気や事故などで障害を負った人が、その障害を自分自身の一部として受け入れ、前向きに生きていくための心のプロセスです。
このプロセスは、一般的に5つの段階に分けられます。高校生でも理解しやすいように、それぞれの段階を説明します。
- ショック期: 突然の出来事に衝撃を受け、何が起こったのか理解できない状態。
- 例:交通事故で足を失った直後、「なぜ自分がこんな目に遭うんだ」と、状況を受け入れられない。
- 否認期: ショックから少し落ち着いてきたものの、障害の現実を受け入れられず、「きっと治る」「夢だ」と denial する状態。
- 例:リハビリを拒否したり、「すぐに歩けるようになる」と unrealistic な期待を抱いたりする。
- 混乱期: 障害の現実を少しずつ受け入れ始める一方で、「なぜ自分が」「もう終わりだ」と、怒り、悲しみ、不安、絶望などの negative な感情に overwhelmed される状態。
- 例:周囲の人にあたったり、自分を責めたり、将来に希望を持てなくなったりする。
- 解決への努力期: 混乱期を乗り越え、障害と向き合い、リハビリに積極的に取り組んだり、新たな目標を見つけたりしようと努力する状態。
- 例:義足を使って歩けるように練習したり、車いす basketball を始めたりする。
- 受容期: 障害を自分の一部として受け入れ、新たな人生を歩み始める状態。
- 例:障害を乗り越えて社会参加したり、自分らしく生きがいを見つけたりする。
82 リハビリテーション室で訓練中に意識を失った患者への対応としてまず行うのは
どれか。
1. 主治医に報告する。
2. ベッドに移動させる。
3. 心臓マッサージを行う。
4. バイタルサインを確認する。
5. 自動体外式除細動器(AED)を準備する。
答え
4
正解は 4. バイタルサインを確認する。 です。
リハビリテーション室で訓練中に意識を失った患者に遭遇した場合、まず行うべきことは、患者の状態を把握することです。そのため、バイタルサインを確認することが最優先となります。
バイタルサインとは、生命維持に不可欠な体の機能を示す指標です。具体的には、以下の4つがあります。
- 意識レベル: 意識があるかどうか、呼びかけに反応するか、痛み刺激に反応するかなどを確認します。
- 呼吸: 呼吸をしているか、呼吸数や呼吸の状態(規則正しさ、深さなど)を観察します。
- 脈拍: 脈拍があるか、脈拍数や脈の状態(強さ、規則正しさなど)を触診します。
- 血圧: 血圧計を用いて測定します。
バイタルサインを確認することで、患者の状態を迅速に把握し、適切な処置を行うことができます。
他の選択肢について
- 1. 主治医に報告する。: バイタルサインを確認後、速やかに主治医に報告することは重要ですが、まず行うべきことではありません。
- 2. ベッドに移動させる。: 患者の状態によっては、移動させることで悪化する可能性があります。バイタルサインを確認し、状態を把握してから移動させるかどうかを判断します。
- 3. 心臓マッサージを行う。: 脈拍がない場合に心臓マッサージが必要となりますが、バイタルサインを確認する前に心臓マッサージを行うことは適切ではありません。
- 5. 自動体外式除細動器(AED)を準備する。: 心停止が疑われる場合にAEDが必要となりますが、バイタルサインを確認し、心停止かどうかを判断する前にAEDを準備することは適切ではありません。
意識を失った患者への対応は、 一次救命処置(BLS) の手順に従って行うことが重要です。BLSは、心停止や呼吸停止に陥った人を救命するための一次的な処置であり、医療従事者でなくても行うことができます。
BLSの手順は以下の通りです。
AEDの使用: AEDがあれば、AEDを使用します。
意識の確認: 患者に呼びかけたり、肩を軽く叩いたりして意識を確認します。
助けを呼ぶ: 意識がない場合は、大声で周囲に助けを求め、119番通報します。
気道の確保: 患者の気道を確保します。
呼吸の確認: 患者の呼吸を確認します。
心臓マッサージ: 呼吸がない場合は、心臓マッサージを行います。
83 脊髄損傷の自律神経過反射でみられるのはどれか。2つ選べ。
1. 発汗
2. 頻脈
3. 高血圧
4. 低血糖
5. 四肢の疼痛
答え
13
正解は 1. 発汗 と 3. 高血圧 です。
まず、脊髄損傷とは、脊髄が傷つくことで、脳からの指令が体に伝わらなくなる障害です。
自律神経過反射は、脊髄損傷によって起こる症状の一つで、 体に刺激が加わった時に、血圧が急上昇する などの異常な反応が起こることを言います。
- 自律神経 は、心臓や血管、消化器官など、体の機能を 自動的に調節 してくれる神経です。
- 脊髄が傷つくと、この自律神経の働きがうまくいかなくなり、 体に刺激が加わった時に過剰に反応 してしまうことがあります。これが自律神経過反射です。
自律神経過反射でみられる症状
- 1. 発汗: 体が熱くなったように感じ、大量の汗をかきます。これは、体温を調節する自律神経の働きが乱れるためです。
- 3. 高血圧: 血管が収縮し、血圧が急上昇します。ひどい場合には、頭痛やめまい、意識障害などを引き起こすこともあります。
なぜこれらの症状が起こるのか?
脊髄損傷が起こると、脳からの指令が損傷部位より下に伝わらなくなります。 例えば、膀胱が一杯になっても、その情報が脳に伝わらず、膀胱が過度に膨らんでしまいます。 すると、体は 「何か異常事態が起こっている!」 と alarm を鳴らし、 交感神経 という自律神経が活発になります。 交感神経が活発になると、血管が収縮して血圧が上がり、心臓の鼓動が速くなり、汗をかきます。
その他の選択肢について
- 2. 頻脈: 自律神経過反射では、 徐脈 (脈が遅くなる)が起こることがあります。
- 4. 低血糖: 自律神経過反射と低血糖は直接的な関係はありません。
- 5. 四肢の疼痛: 脊髄損傷によって、 感覚障害 が起こり、痛みを感じなくなることがあります。
自律神経過反射は、脊髄損傷を持つ人にとって、命に関わる危険な状態になることもあります。 もし、脊髄損傷を持つ人が、 突然の頭痛、発汗、顔面紅潮 などの症状を訴えたら、すぐに医療機関を受診する必要があります。
84 多発性筋炎にみられる所見はどれか。
1. 蝶形紅斑
2. 深部腱反射亢進
3. 手袋靴下型感覚障害
4. 筋電図での高振幅電位波形
5. 血清クレアチンキナーゼ上昇
答え
5
正解は 5. 血清クレアチンキナーゼ上昇 です。
まず、多発性筋炎について簡単に説明します。
- 多発性筋炎 とは、自分の免疫システムが自分の筋肉を攻撃してしまうことで、筋肉に炎症が起こる病気です。
- 主に、 体幹に近い筋肉 (肩や太ももの筋肉など)が左右対称に弱くなっていくのが特徴です。
- 階段を上るのがつらい、立ち上がりにくい、腕を上げにくいなどの症状が現れます。
- 筋肉は、 たくさんの繊維 が集まってできています。
- 多発性筋炎になると、 免疫細胞が筋肉の繊維を攻撃 し、 炎症 を起こします。
- 炎症が起こると、筋肉の繊維が壊れて、 血液中にクレアチンキナーゼという酵素が流れ出し ます。
血清クレアチンキナーゼ は、筋肉が壊れると血液中に増加する酵素です。そのため、多発性筋炎では、血清クレアチンキナーゼの値が高くなります。
他の選択肢について
- 1. 蝶形紅斑: これは、 全身性エリテマトーデス という別の病気でよく見られる顔面の赤い発疹です。蝶形紅斑
- 2. 深部腱反射亢進: これは、神経の病気でよく見られる症状で、腱を叩いた時のreflexが過剰に起こることを言います。
- 3. 手袋靴下型感覚障害: これは、手足の末梢神経が障害されることで、手袋や靴下を履いているような範囲にしびれや感覚の低下が起こる症状です。
- 4. 筋電図での高振幅電位波形: これは、 神経の病気 でよく見られる筋電図の異常です。
85 発達評価はどれか。
1. DDSTⅡ
2. K-ABC Ⅱ
3. WAIS-Ⅲ
4. WISC-Ⅲ
5. WPPISI-Ⅲ(Wechsler Preschool and Primary Scaleof Intelligence-Ⅲ)
答え
1
正解は 1. DDSTⅡ です。
発達評価 とは、子どもの発達段階を調べる検査のことです。運動能力、言語能力、社会性、認知能力など、様々な領域の発達を総合的に評価します。
DDSTⅡ (デンバー式発達スクリーニング検査) は、0歳から6歳までの乳幼児を対象とした発達評価の代表的な検査です。運動発達、言語発達、対人関係、身辺自立の4つの領域について、子どもの発達状況を調べます。
他の選択肢は、知能検査に分類されます。知能検査は、知的能力を測定するための検査であり、発達評価とは目的が異なります。
- 2. K-ABC Ⅱ: 知的能力を測定する検査ですが、発達的な視点も含まれています。
- 3. WAIS-Ⅲ: 成人向けの知能検査です。
- 4. WISC-Ⅲ: 児童向けの知能検査です。
- 5. WPPISI-Ⅲ: 幼児向けの知能検査です。
発達評価と知能検査の違い
知能検査: 知的能力を数値化し、全体的な知的能力のレベルを把握することを目的とします。
発達評価: 各年齢における typical な発達段階と比較し、子どもの発達の遅れや偏りを screening することを目的とします。
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