第58回【共通】午後 問題76~80

第58回(2023年)

問題76 疾患と病因の組合せで正しいのはどれか。
1. Creutzfeldt-Jakob 病     感 染
2. Parkinson 病        脱 髄
3. 肝性脳症   神経変性
4. 正常圧水頭症   血行障害
5. 多発性硬化症   腫 瘍

答え

1
1.〇 神経難病のひとつで、抑うつ、不安などの精神症状で始まり、進行性認知症、運動失調等を呈し、発症から1年~2年で全身衰弱・呼吸不全・肺炎などで死亡します。原因は、感染性を有する異常プリオン蛋白と考えられ、他の病型を含めて「プリオン病」と総称されます。

2.✕ 中脳の黒質ドパミン神経細胞が減少して起こります。
3.✕ 肝性脳症は、重度の肝疾患がある人において、正常なら肝臓で除去されるはずの有害物質が血液中に蓄積して脳に達することで、脳機能が低下する病気です。
4.✕ 脳の周囲を満たしている液体が異常に増加して、歩行困難、尿失禁、認知症をきたす病気です。
5.✕ 中枢神経系の慢性炎症性脱髄疾患で、炎症によってミエリンが壊れ、その結果、視力障害、運動障害、感覚障害、認知症、排尿障害などさまざまな神経症状があらわれるのです。

問題77 頭部単純CT で低吸収域として描出されるのはどれか。
1. くも膜下出血
2. 脳梗塞慢性期
3. 脳出血急性期
4. 急性硬膜下血腫
5. 脈絡叢の石灰化

答え

2
頭部CTでは、脳白質とほぼ等しい濃淡を示す領域を等吸収域、脳白質よりも白い領域を高吸収域、脳白質よりも黒い領域を低吸収域といいます。梗塞巣や浮腫は黒っぽく写り、出血は白っぽく写ります。また、発症時期によっても写り方が変わります。
脳梗塞:発症6時間以内の超急性期では、梗塞巣は低吸収域として現れません。発症24時間が経過すると梗塞巣は低吸収域として現れます。
脳出血:超急性期~急性期では、血腫は高吸収域として現れ、その周りは低吸収域がみられます。
1.✕ 出血部位が高吸収域
2.〇
3.✕ 出血部位が高吸収域
4.✕ 血腫が高吸収域
5.✕ 石灰化は高吸収域

問題78 良性腫瘍と比較した悪性腫瘍の特徴はどれか。
1. 被膜を有する。
2. 発育速度は遅い。
3. 浸潤性に発育する。
4. 細胞の分化度が高い。
5. 細胞の核分裂が少ない。

答え

3
1.✕ 良性腫瘍には被膜があるが悪性腫瘍には無い。


2.✕ 発育速度は速い
3.〇
4.✕ 悪性腫瘍は低分化が多い。病理学では、細胞が決められた役割を果たせるように成長していく過程を「分化」といいます。がん細胞は分化の程度により、高分化がん、低分化がん、未分化がんの3種類があります。
高分化がん:分化の高い状態でがん化しているため細胞分裂のスピードはゆっくりと増殖。転移が少ないため、悪性度の低いがんと言われます。
低分化がん:さかんに分裂をしている未成熟の細胞ががん化したもの。細胞分裂のスピードが速く、増殖、転移が多く見られる。悪性度の高いがんと言われます。
5.✕ 細胞分裂は活発です。

問題79 即時記憶と関連があるのはどれか。
1. 数字の順唱を行わせる。
2. 以前の社会的な事件を思い出させる。
3.「結婚したのは何歳のときですか」と質問する。
4.「昨夜の夕食のおかずは何でしたか」と質問する。
5. いったん覚えてもらった言葉を3 分後に思い出させる。

答え

1

1.〇
2.✕ 遠隔記憶
3.✕ 遠隔記憶
4.✕ 近時記憶
5.✕ 近時記憶
記憶は、記憶の保持時間や内容に基づいて、即時記憶、近時記憶、遠隔記憶に分類されます。
即時記憶は数秒~1分程度の記憶
近時記憶は数分・数時間~数ヶ月の記憶
遠隔記憶は数年~数十年の記憶

問題80 我が国の自殺死亡率において年齢階級別で最も高いのはどれか。
1. 20 歳代
2. 30 歳代
3. 40 歳代
4. 50 歳代
5. 60 歳代

答え

4

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