第58回【共通】午後 問題66~70

第58回(2023年)

問題66 血球とその働きの組合せで正しいのはどれか。2 つ選べ。
1. 顆粒球   止 血
2. 血小板   病原体の貪食
3. 赤血球   ヘモグロビンの輸送
4. 単 球   栄養素の運搬
5. リンパ球   抗体の産生



答え

35
1.✕ 顆粒球は、3つに分化(好中球、好酸球、好塩基球)し免疫に関与する
2.✕ 血小板は止血作用に関わる
3.〇 赤血球は血液の主成分で、体の中で酸素を運搬する役割を担っています。ヘモグロビンは赤血球に含まれる赤色素たんぱく質で、血液が赤い色をしているのはヘムが赤色素を持っているためです。
4.✕ 単球は血流から組織に移動してからマクロファージになります。 単球は感染が起こると、組織に入ります。 そこで約8時間かけて、単球は巨大化して内部に顆粒を作り、マクロファージになります。 マクロファージは異物を飲み込み消化する働きがあることから貪食細胞とも呼ばれます。
5.〇 リンパ球の一種であるB細胞は、抗体と呼ばれるタンパク質を産生・放出します。抗体は、病気の原因となる細菌やウイルスなどが体内に侵入したとき、異物として攻撃したり体外に排除する役割を担います。免疫グロブリンとも呼ばれます。

問題67 胃の分泌で正しいのはどれか。2 つ選べ。
1. ヒスタミンは胃酸分泌を抑制する。
2. 迷走神経刺激は胃酸分泌を促進する。
3. ガストリンは蛋白質の消化酵素である。
4. 内因子はビタミンB12 の吸収に関与する。
5. ペプシノーゲンは壁細胞から分泌される。

答え

24
1.✕ ヒスタミンは、生体内で炎症、アレルギー反応、胃酸分泌、神経伝達に関与しています。ヒスタミンは、末梢、中枢神経系に広く分布す生体の生理や行動に作用して体の働きを調整する化学物質です。
2.〇 迷走神経は副交感神経である。副交感神経なので胃酸の分泌を促進し消化する。
副交感神経の神経線維を含む神経には、4本の脳神経(動眼神経、顔面神経、迷走神経、舌咽神経)と仙髄からでる骨盤神経がある。このうち体全体の副交感神経の7〜8割が迷走神経といわれている。
3.✕ ガストリンは、胃の幽門前庭部にあるG細胞から分泌される消化管ホルモンです。胃酸の分泌を促し、胃の運動を促進させる作用があります。
4.〇 内因子は、胃壁細胞によって作られる糖タンパク質で、ビタミンB12の吸収に必須の物質です。
5.✕ ペプシノーゲンとは、胃粘膜から分泌される消化酵素ペプシンを作る物質です。食べ物の消化を助ける働きがあります。壁細胞は、胃粘膜を構成する胃底腺に存在する細胞のひとつです。壁細胞は、ヒスタミン、ガストリン、アセチルコリンといった化学物質の受容体があり、それらが結合してプロトンポンプに作用し、胃酸(塩酸)を分泌します。また、葉酸やビタミンB12の吸収を促す内因子と呼ばれる物質を作り出す働きももっています。

問題68 排便機構で正しいのはどれか。
1. 便意は内肛門括約筋の伸張で生じる。
2. 大腸内容物の混和は大蠕動で行われる。
3. 直腸の収縮はアセチルコリンで促進される。
4. 骨盤神経のインパルスは外肛門括約筋を弛緩させる。
5. 上行結腸における大腸内容物の性状は半固形状である。

答え

3
1.✕ 便の移動によって直腸内圧が40~50mmHg以上になると、刺激が直腸壁の骨盤神経から仙髄の排便中枢に伝わり、視床下部を経て大脳皮質に伝達され、便意を意識することになります。


2.✕ 大腸内容物の混和は、蠕動運動、分節運動、振子運動の3つの動きを組み合わせて食べ物を細かくしながら腸内を移動させていきます。大蠕動は便を大腸から直腸まで一気に移動させ、体外に排出しようとする腸の動きです。蠕動運動は、胃や小腸で消化が終わった老廃物を、大腸の伸び縮みする筋肉の動きによって移動させ、体外へ排出させようとする動きのことです。大蠕動は蠕動運動の約200倍の早さで便を移動させるため、排出がスムーズになります。1日に数回起こえいます。大蠕動は胃と小腸が空っぽの状態になって初めて起きるのです。胃と小腸で消化をする8時間以内に、次の食べ物を口にしてしまうと、胃と小腸が空になる時間が無いため、いつまで経っても大蠕動は起き無くなってしまいます。


3.〇 アセチルコリンは、胃や腸などの消化管の運動に関わっています。副交感神経が興奮するとアセチルコリンが放出されて、消化管運動が活発になります。
4.✕ 骨盤神経は自律神経なので内肛門括約筋の弛緩と収縮に関わります。外肛門括約筋は陰部神経の支配です。
5.上行結腸における大腸内容物の性状は半流動状です。

問題69 筋と作用の組合せで正しいのはどれか。2 つ選べ。
1. 足の長指伸筋   足内がえし
2. 後脛骨筋   足外がえし
3. 短腓骨筋   足底屈
4. 薄 筋   膝屈曲
5. 縫工筋   膝伸展

答え

34
1.✕ 外返し
2.✕ 内返し
3.〇
4.〇
5.✕ 股関節屈曲・外旋・外転 膝関節屈曲内旋

問題70 肩甲骨外転・上方回旋を伴い肩関節屈曲位保持に作用するのはどれか。
1. 棘下筋
2. 広背筋
3. 小円筋
4. 前鋸筋
5. 菱形筋

答え

4
1.✕ 棘下筋は肩関節外旋
2.広背筋は肩関節伸展
3.小円筋は肩関節外旋
4.〇
5.✕ 菱形筋は肩甲骨挙上、内転、下方回旋

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