問題96 アルコール依存症で誤っているのはどれか。
1. 依存性パーソナリティ障害は発症リスクを高める。
2. 発症時はアルコール耐性が増大している。
3. 断酒後、依存症状態に戻ることが多い。
4. アルコール幻覚症は幻聴を主とする。
5. 発症には遺伝的影響がある。
答え
解なし
問題97 興奮や昏迷などの意志発動の異常が主体となる統合失調症の病型はどれか。
1. 緊張型
2. 残遺型
3. 単純型
4. 破瓜型
5. 妄想型
答え
1
1.〇 緊張型は、極端に意欲がなくなったり、反対に激しい興奮状態になるタイプ。
緊張病症状というのは、興奮した状態と昏迷(意識はあるが無動・無言)した状態をいう。
2.✕ 残遺型は、妄想型や破瓜型、緊張型といった統合失調症の初期段階が過ぎつつも、症状が残っている状態を指します。幻覚や幻聴などの陽性症状は軽いため、治ったように見えることがある。
3.✕ 単純型は、自閉傾向や意欲低下、思考のまとまりの無さなどの陰性症状・中間症状が主要な症状となるタイプ。陽性症状(幻覚、妄想など)に乏しいのが特徴。
4.破瓜型は陰性症状が主体であり思考と行動がまとまらなくなるタイプ
妄想や幻覚も起こりますが、あまり顕著ではありません。目立つ症状といえば、性格が急に変わったように見えたり、身仕舞がだらしなくなったり、また奇妙な服装になったり、風呂に入りたがらないなど。「破瓜」とは女性の16歳の称のことで、この頃を破瓜期ともいう。
5.妄想型は、統合失調症の代表的な症状である「妄想」「幻覚」が出てくるタイプ
問題98 欠神発作で正しいのはどれか。
1. 心因性である。
2. 高齢で発症する。
3. 発作後に入眠する。
4. 過呼吸で誘発される。
5. 周囲の人に気付かれやすい。
答え
4
1.✕ 原因は様々、「特発性てんかん」と「症候性てんかん」に分けられる。特発性てんかんは、検査しても異常がみつからない原因不明のてんかん。症候性てんかんは、脳に何らかの障害が起きたり、脳の一部が傷ついたことで起こるてんかん。
2.✕ 発病年齢は3歳以下が最も多く、成人になると減少するが、60歳を超えた高齢者になると脳血管障害などを原因とする発病が増加する。
3.✕ 「部分発作」と「全般発作」に分けられ、さらに、意識障害の有無、発作症状、発作型、発作の対称性によって細かく分類される。
4.〇
欠神発作は過呼吸により誘発できるため脳波検査では必ず過呼吸を行う。
5.✕ 欠神発作では突然意識がなくなり、急に話が途切れたり、動作が止まり、一点を見つめたまま無反応になるが数秒から20、30秒と非常に短いことが多く、周囲の人たちに気づかれないことも少なくありません。
問題99 統合失調症患者の健康関連QOL の測定に用いることができるのはどれか。
1. BPRS〈Brief Psychiatric Rating Scale〉
2. NEO-PI-R
3. RDQ〈Roland-Morris Disability Questionnaire〉
4. SF-36
5. SFS〈Social Functioning Scale〉
答え
4
1.✕ BPRSは、精神障害における精神症状の変化や、薬物・ストレスなどの外的な刺激に対する精神状態や行動特性の変化、あるいはパーソナリティ特性などの症状の有無や重症度をできる限り定量的に測定するために開発された尺度です。
2.✕ NEO-PI-Rは、アメリカの国立老化研究所が開発した人格検査です。
3.✕ (RDQ)は、患者が腰痛による日常生活の障害を評価する尺度です。
4.〇 SF-36は、健康関連QOL(HRQOL: Health Related Quality of Life)を測定するための尺度です。8つの下位尺度36項目で構成されています。
5.✕ 社会機能評価尺度のことです。統合失調症における家族介入の効果を測定するために開発され、コミュニティでの生活の維持において重要な機能を評価する目的で開発されました。
問題100 強迫性障害で正しいのはどれか。
1. 薬物療法は無効である。
2. 曝露反応妨害法が行われる。
3. 強迫行為はさせられ体験による。
4. うつ病を合併することはまれである。
5. 患者は強迫行為の不合理性を自覚していない。
答え
2
1.✕ 強迫性障害の薬物療法で主に使われるのは、うつ病などの治療にも使われる抗うつ薬SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)です。脳の中の神経伝達物質の一つ「セロトニン」の量を調節します。服用を始めると、早い人では2~3週間で症状が軽減するなどの反応が出てきます。
2.〇 曝露反応妨害法は、患者さんに「不安が現れても、時間が経てば慣れるし、不安感は下がる」ことを体験してもらう治療法です。
3.✕ 強迫性障害の原因ははっきりとはわかっていませんが、遺伝要因と環境要因が重なることで発症するとされています。
4.✕ 強迫性障害の患者さんはうつ病やパニック障害など、他の精神疾患を合併することが多い
5.✕ 強迫性障害(強迫神経症)の患者さん自身も、自分の抱く恐怖や行為の度が過ぎていることを自覚していることが多いです。しかし、勝手にわいてくる強迫観念を止めることができず、その恐怖からおこる強迫行為を止めることができません。
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