第58回【共通】午前 問題91‐95

共通問題 午前

問題91 糖尿病性神経障害に特徴的な所見はどれか。

1. 急激な発症
2. 自律神経過反射
3. 深部腱反射の亢進
4. 下肢の靴下型感覚障害
5. 近位筋優位の筋力低下

答え


1.✕ 糖尿病性神経障害は高血糖状態が長く続いた結果、全身の神経に障害が起こる合併症

2.✕ 自律神経過反射は、6番目の胸髄節(T6)以上の損傷で起こる。脊髄損傷を負った人の20~70%は、1カ月後から1年後に自律神経過反射が起る。

3.✕ 深部腱反射亢進は、脳や脊髄などの中枢神経(上位運動ニューロン)の障害であり、反射の抑制が効かなくなるため起こる。

4.〇 

糖尿病ではいろいろな合併症がおこるが、最も代表的なものとしてニューロパチーがある。糖尿病性ニューロパチーは足先のしびれや痛みなどの症状ではじまることが多く、時間が経つにしたがって徐々に上のほうに広がる。感覚の障害は通常、「手袋靴下型」といわれる左右対称の分布になる。

5.✕ 近位筋優位の筋力低下は、ミオパチーを示唆する。ミオパチーには、内分泌性ミオパチーなどがあり、最も代表的なのは甲状腺機能低下症である。

問題92 肝不全でみられるのはどれか。

1. 脳 炎
2. 裂 肛
3. 腹水貯留
4. 血小板増加
5. 高アルブミン血症

答え


1.✕ 肝性脳症:肝臓で除去されるはずの有害物質が、血液中に蓄積して脳に達し、脳の機能が低下してさまざまな精神・神経症状が出現する。

2.✕ 裂肛=切れ痔

3.〇

4.✕ 慢性肝臓疾患が進行すると、肝臓に流入する門脈という血管の圧力が上昇し、上流の脾臓が大きくなる。 脾臓が大きくなると、脾臓内で血小板が破壊されるので、血小板数が低下し、出血傾向となる。

5.✕ アルブミンは減少する

問題93 ビタミンと欠乏時の症候との組合せで正しいのはどれか。

1. ビタミンA   舌 炎
2. ビタミンB1   皮下出血
3. ビタミンC   末梢神経障害
4. ビタミンD   骨粗鬆症
5. ビタミンK   壊血病

答え

ビタミンAが不足すると暗順応障害が起こり薄暗いところでものが見にくくなり、やがて夜盲症になる

ビタミンB1欠乏の主な症状は脚気とウェルニッケ-コルサコフ症候群

ビタミンDが欠乏すると、腸管からのカルシウム吸収の低下と腎臓でのカルシウム再吸収が低下し、カルシウムが不足して低カルシウム血症となります。 そのため、骨の軟化が起る。

ビタミンK欠乏症の主な症状は出血で、皮下出血(あざができます)、鼻や傷からの出血、胃出血、腸出血

問題94 肺塞栓症で誤っているのはどれか。

1. 脱水が誘因となる。
2. Ⅰ型呼吸不全を呈する。
3. D ダイマーが上昇する。
4. 下肢よりも上肢の術後に多い。
5. 深部静脈血栓症との合併が多い。

答え

肺血栓塞栓症は、おもに下肢静脈にできた塞栓子が血流にのって肺動脈を閉塞し、肺循環障害をきたすことによって起こる。肺血栓塞栓症のおもな身体所見は、息苦しさです。ほかには、突然の呼吸困難、吸気時の胸痛、頻脈、過呼吸が生じる。

1.〇 手術に伴う深部静脈血栓症は、主に下肢(ふくらはぎや大腿部)または骨盤の深部静脈で血液が凝固し、血栓ができて血管が詰まる。上肢(腕や手)に生じることは少なく、大部分が下肢に発生する。

2.〇 血栓が肺血管を塞いでしまうと、肺に酸素を供給するための血流が制限される。これにより、肺の一部が酸素不足に陥る。肺の一部はまだ空気を取り込んでいるが、それに対する十分な血流がないため、酸素交換がうまく行われず、結果として酸素供給が減少します。

3.〇 私たちの体には、体内に血栓ができると、この血栓を溶かして(溶解して)除去しようとする機能があります。この機能は、プラスミンという酵素が行っています。血栓によって傷口が止血されることは体にとって有効ですが、この血栓がずーっと傷口に居続けると、逆に体にとっては害になってしまいます。そこで、そうならないためにプラスミンが働き出し、血液凝固因子であるフィブリノゲンやフィブリンを溶解していきます。この現象を線溶現象といい、そのとき分解される物質がFDP(フィブリン分解産物)です。そして、FDPはプラスミンによりさらに分解されて、最終的にはDダイマーとになります。

5.〇

問題95 介護保険制度で正しいのはどれか。

1. 都道府県の窓口で申請する。
2. 特定疾病に慢性腎不全がある。
3. 第1 号被保険者は75 歳以上である。
4. 介護認定審査会で要介護度を判定する。
5. 審査結果に対する再審査請求はできない。

答え

1.✕ 市区町村の窓口に申請する
2.✕

3.✕ 1号被保険者は65歳以上である
5.✕ 要介護認定の結果や決定された保険料に不服がある場合に、都道府県に設置された介護保険審査会に対して審査請求を行うことができる。

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