第58回【共通】午前 問題86‐90

共通問題 午前

問題86 原始反射と誘発される運動の組合せで正しいのはどれか。

1. 探索反射              頸部の側屈
2. Galant 反射             体幹の回旋
3. 交差性伸展反射           刺激反対側の下肢の伸展
4. 非対称性緊張性頸反射        頸部を回旋させた側の上肢と下肢の
伸展
5. 対称性緊張性頸反射(頸部伸展)   上肢の屈曲と下肢の伸展

答え

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探索反射とは、唇に指や乳首が触れると、触れた指や乳首を探すかのように左右上下に首を回す反射動作

ギャラン反射(Galant reflex)は、赤ちゃんが産道を通るときにおしりが動くことで進むことができるように、誕生のプロセスを助ける反射。赤ちゃんの背中(背骨の外側)を上から下にさすると、さすった側におしりを持ちあげるような動きを見せる

赤ちゃんの左右どちらかの膝を伸ばして同じ側の足底を大人の手で刺激すると、反対の足が曲がって刺激している手を払いのけるように伸ばす

非対称性緊張性頸反射(ATNR)とは、乳児を仰向けに寝かせ、首を一方に向けると顔面側の上下肢が伸展し、後頭側が屈曲する反応

対称性緊張性頸反射(STNR)とは、乳児に見られる原始姿勢反射の一つで、身体の上と下の動きが連動する反射

問題87 リンパ浮腫で正しいのはどれか。

1. 腹水を伴う。
2. 利尿薬で治療する。
3. 感染を繰り返しやすい。
4. 発症初期から皮膚硬化を生じる。
5. 肺血栓塞栓症の原因の一つである。

答え

1.✕ 腹水の原因は、大きく分けて、「がん性腹膜炎などによりお腹の炎症が原因で起こる場合」、「肝硬変、腎不全、心不全などの病気により血管内の浸透圧が低下し、血管に水分を保持できなくなった場合」

2.✕リンパ浮腫に効く薬は、ほとんど無いのが実情。
利尿剤は原則的に用いません。リンパ浮腫では下肢または腕にだけ蛋白と水分が貯まっており、全身の水分が多いわけではないので、全身の水分を尿として強制的に出してしまう利尿剤では、治らない。治療法は弾性着衣やリンパドレナージである。

3.〇 リンパ浮腫のある患肢は、浮腫で皮膚が張り、乾燥するために外部の刺激から体を守ることができず細菌感染を引き起こしやすくなる。

4.✕ 早期のリンパ浮腫の場合、皮下脂肪の隙間にリンパ液が溜まっているだけで、脂肪は正常なままなので指で押すと凹む。
進行すると皮下脂肪が炎症を起こし、コラーゲンの線維ができて真皮が厚く硬くなる。こうなると、指で押しても凹みません。

5.✕ 肺血栓塞栓症の原因は、すなわち深部静脈血栓症の原因である。
①血液凝固能の亢進、②静脈血流のうっ滞、③静脈壁の障害の3つの因子が 種々の程度に重なって生ずる。

問題88 Perthes 病で正しいのはどれか。2 つ選べ。

1. 女児に多い。
2. 外傷が誘因となる。
3. 片側性の発症が多い。
4. 12 歳以降に好発する。
5. 大腿骨近位骨端部への血行障害が原因である。

答え

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1.4.✕ 5歳から7歳の男児に多い
2.✕ 原因は不明

問題89 Colles 骨折で正しいのはどれか。

1. 成人より小児に多い。
2. 尺骨遠位端の骨折である。
3. 遠位骨片は掌側に転位する。
4. 合併症に正中神経損傷がある。
5. 骨折の分類にはGarden 分類が用いられる。

答え

1.✕ 閉経後の中年以降の女性に多い
2.✕ 橈骨遠位端骨折
3.✕ 背側変位
5.✕ ガーデン分類(Garden分類)とは、大腿骨頚部骨折を転位の程度によって4段階に分類したもの

問題90 発症後2 時間の脳梗塞において典型的な画像所見はどれか。

1. 単純CT での高吸収域
2. 単純CT での低吸収域
3. MRI のT1 強調像での高信号領域
4. MRI のT2 強調像での高信号領域
5. MRI の拡散強調像での高信号領域

答え

1.2 ✕ 脳梗塞は発症から6時間以上経過しないとCTの異常所見としてはっきり表れない。そのため、多くの場合MRI検査を行う。高吸収域:X線が透過しにくい骨や石灰化、出血などは白く写る。
3.4 ✕ 脳梗塞発症後2時間ではT1、T2強調像に写らない。

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