91 脳卒中患者の身体機能評価に用いられる評価尺度はどれか。2つ選べ。
1.GMFCS
2.MMPI
3.NIHSS
4.SIAS
5.UPDRS
答え
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1.× GMFCS (Gross Motor Function Classification System): 脳性麻痺児の粗大運動機能を評価するための尺度です。
2.× MMPI (Minnesota Multiphasic Personality Inventory): 人格検査であり、精神疾患の診断や治療に用いられます。
3.〇 NIHSS (National Institutes of Health Stroke Scale): 脳卒中の重症度を評価するための尺度です。意識レベル、言語、運動機能、感覚、協調運動、視覚、顔面麻痺などを評価項目に含みます。
4.〇 SIAS (Stroke Impairment Assessment Set): 脳卒中による麻痺、感覚障害、言語障害、高次脳機能障害などを評価するための尺度です。
5.× UPDRS (Unified Parkinson’s Disease Rating Scale): パーキンソン病の重症度を評価するための尺度です。
92 手根管症候群でみられる症候はどれか。
1.下垂手
2.骨間筋の萎縮
3.小指のしびれ
4.母指球筋の萎縮
5.Guyon管のTinel徴候陽性
答え
正解は 4.母指球筋の萎縮 です。
手根管症候群は、手首にある手根管というトンネル内で正中神経が圧迫されることで起こります。正中神経は、母指、示指、中指、そして環指の半分までの感覚と運動を支配しています。
母指球筋は、正中神経に支配されている筋肉の一つです。そのため、手根管症候群では母指球筋が萎縮することがあります。
その他の選択肢について
1.下垂手:橈骨神経麻痺でみられます。
2.骨間筋の萎縮:尺骨神経麻痺でみられます。
3.小指のしびれ:尺骨神経麻痺でみられます。
5.Guyon管のTinel徴候陽性:尺骨神経がGuyon管で圧迫されることで起こるGuyon管症候群でみられます。
手根管症候群では、母指、示指、中指にしびれや痛み、感覚鈍麻などが現れます。また、進行すると母指の対立運動やつまみ動作が困難になることもあります。
93 ケトアシドーシスによってKussmaul呼吸が起こる理由で正しいのはどれか。
1.O2を取り込むため。
2.H+ が減少したため。
3.CO2を排出するため。
4.HCO3- が増加したため。
5.pHの上昇を基準値に戻すため。
答え
正解は 3.CO2を排出するため。 です。
ケトアシドーシスは、体内でケトン体が過剰に産生されることで血液が酸性に傾く状態です。
体は酸塩基平衡を保つために、呼吸性代償としてCO2を排出することで血液中のpHを上昇させようとします。
Kussmaul呼吸は、このCO2排出を促進するための深く速い呼吸です。
その他の選択肢について
1.O2を取り込むため。: ケトアシドーシスでは酸素不足は primary な原因ではありません。
2.H+ が減少したため。: ケトアシドーシスではH+が増加し、血液が酸性に傾きます。
4.HCO3- が増加したため。: ケトアシドーシスではHCO3-(重炭酸イオン)が減少し、血液が 酸性に傾きます。
5.pHの上昇を基準値に戻すため。: 正確には、低下したpHを上昇させて基準値に近づけるためです。
ケトアシドーシスでは、血中のケトン体の上昇、血糖値の上昇、脱水症状などがみられます。 Kussmaul呼吸以外にも、吐き気、嘔吐、腹痛などの症状が現れることもあります。
94 急性心筋梗塞が疑われる場合に最も優先度が低い検査はどれか。
1.心電図
2.心エコー
3.冠動脈CT
4.冠動脈造影
5.心筋シンチグラフィー
答え
急性心筋梗塞が疑われる場合、最も優先度が低い検査は 5.心筋シンチグラフィー です。
急性心筋梗塞の診断においては、迅速な診断と治療開始が重要となります。そのため、初期段階では、心電図、心エコー、冠動脈CTなどの迅速に実施可能な検査が優先されます。
各検査の優先度と特徴
- 心電図: 最も迅速に実施可能な検査であり、ST上昇やQ波などの心筋梗塞に特徴的な所見を確認できます。
- 心エコー: 心臓の動きや構造をリアルタイムで観察し、壁運動異常や弁膜症などの合併症の有無を確認できます。
- 冠動脈CT: 冠動脈の状態を詳しく描出し、狭窄や閉塞の有無、程度を評価できます。
- 冠動脈造影: 冠動脈の状態を最も正確に評価できる検査であり、治療(PCIなど)と同時に行うことも可能です。
- 心筋シンチグラフィー: 心筋の血流を評価する検査ですが、検査時間がかかり、緊急性の高い急性心筋梗塞の初期診断には不向きです。
急性心筋梗塞が疑われる場合の検査の優先順位
- 心電図
- 心エコー
- 冠動脈CT または 冠動脈造影
- 心筋シンチグラフィー (必要に応じて)
心筋シンチグラフィー は、急性期を過ぎてから、心筋のviability(生存能)や虚血の程度を評価するために用いられることが多いです。
95 Lewy小体型認知症の早期にみられる症状はどれか。
1.幻 視
2.考想伝播
3.失 語
4.人格変化
5.脱抑制
答え
Lewy小体型認知症の早期にみられる症状は 1.幻視 です。
Lewy小体型認知症では、認知機能の低下に加えて、以下の3つが中核症状とされています。
- 幻視: 生き物や人物など、実際には存在しないものが見える。
- パーキンソニズム: 動作緩慢、筋固縮、振戦などの運動症状。
- 認知機能の変動: 注意力や意識レベルが日や時間帯によって変動する。
特に、幻視はLewy小体型認知症の初期段階から出現することが多く、特徴的な症状と言えるでしょう。
その他の選択肢について
- 2.考想伝播: 自分の考えが周囲に知れ渡っているという妄想。統合失調症でみられる。
- 3.失語: 言葉の理解や表出に障害が生じる。アルツハイマー型認知症でみられる。
- 4.人格変化: 前頭側頭型認知症で初期からみられる。
- 5.脱抑制: 前頭葉の障害により、社会的に不適切な行動をとってしまう。前頭側頭型認知症でみられる。
Lewy小体型認知症では、初期には記憶障害よりも、幻視やパーキンソニズム、認知機能の変動が目立つことが多いです。
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