86 頭部MRIで正しいのはどれか。
1.T2強調画像で髄液は低信号に描出される。
2.頭部CTに比べて脳幹部の病巣を観察しにくい。
3.T2強調画像で脳梗塞による信号変化はみられない。
4.拡散強調画像は急性期の脳梗塞の診断に有用である。
5.頭部CTに比べて急性期の脳出血の診断に有用である。
答え
4
1.× T2強調画像で髄液は低信号に描出される。T2強調画像では、水が白く(高信号)描出されます。脳脊髄液は水なので、T2強調画像では白く見えます。
2.× 頭部CTに比べて脳幹部の病巣を観察しにくい。 MRIはCTに比べて軟部組織のコントラスト分解能が高いため、脳幹部のような細かい構造もはっきりと観察できます。
3.× T2強調画像で脳梗塞による信号変化はみられない。脳梗塞はT2強調画像で高信号として描出されます。これは、梗塞によって組織に水がたまるためです。
4.〇 拡散強調画像は急性期の脳梗塞の診断に有用である。拡散強調画像(DWI)は、脳梗塞が起こるとすぐに異常を示すため、急性期の脳梗塞の診断に非常に役立ちます。DWIでは、梗塞部分が明るく(高信号)描出されます。
5.× 頭部CTに比べて急性期の脳出血の診断に有用である。急性期の脳出血の診断には、CTの方がMRIよりも優れています。CTは迅速に撮影でき、出血を白く(高吸収域)描出するため、緊急時に迅速な診断が可能です。
87 AEDで正しいのはどれか。
1.使用には医師の指示が必要である。
2.心臓ペースメーカーの植込み患者に使用できる。
3.衣服の上から使用できる。
4.電気的除細動時は四肢を押さえる。
5.電気的除細動は自動的に行われる。
答え
2 or 5
1.× 使用には医師の指示が必要である。
AEDは緊急時に一般市民でも使用できるよう設計されています。医師の指示を待つ必要はありません。
2.〇 心臓ペースメーカーの植込み患者に使用できる。
AEDはペースメーカー植込み患者にも使用できます。ただし、電極パッドはペースメーカーからできるだけ離して貼ることが重要です。
3.× 衣服の上から使用できる。
AEDを使用する際は、電極パッドを肌に直接貼る必要があります。衣服の上からでは電気ショックが正しく伝わらない可能性があります。
4.× 電気的除細動時は四肢を押さえる。
電気的除細動時は、患者に触れないようにすることが重要です。感電の危険性があるため、患者を押さえる必要はありません。
5.〇 電気的除細動は自動的に行われる。
AEDは心電図を解析し、除細動が必要かどうかを自動的に判断します。必要な場合は、音声ガイダンスに従ってボタンを押すことで除細動が行われます。
88 背臥位における褥瘡の好発部位はどれか。2つ選べ。
1.踵 部
2.膝窩部
3.仙骨部
4.内果部
5.大転子部
答え
13
背臥位では、体の後側が床と接触するため、骨の突出部や体重がかかりやすい部位に褥瘡が発生しやすくなります。踵部と仙骨部は、特に圧迫を受けやすい部位です。
他の選択肢については、以下のようになります。
- 膝窩部:膝の裏側にあたる部分で、背臥位では圧迫を受けにくいため、褥瘡の好発部位ではありません。
- 内果部:内くるぶしにあたる部分で、背臥位では圧迫を受けにくいため、褥瘡の好発部位ではありません。
89 外傷性脊髄損傷で正しいのはどれか。
1.男性より女性に多い。
2.頸髄損傷が胸腰髄損傷より多い。
3.交通事故による受傷が最も多い。
4.発症者の年齢は20歳代が最も多い。
5.頸髄損傷では完全麻痺者の比率が高い。
答え
2
1.× 男性より女性に多い。
- 統計的には、男性の方が女性よりも外傷性脊髄損傷の発生率が高いです。これは、男性が危険な活動や職業に従事する傾向がより高いことなどが影響していると考えられます。
2.〇 頸髄損傷が胸腰髄損傷より多い。
- 頸髄は、脊椎の中で最も可動性が高く、脆弱な部分です。そのため、外傷による損傷を受けやすい傾向があります。胸腰髄は、肋骨や筋肉によって保護されているため、頸髄に比べて損傷を受けにくいとされています。
3.× 交通事故による受傷が最も多い。
- かつては交通事故が主な原因でしたが、近年では高齢者の転倒による受傷が最も多くなっています。特に、骨粗鬆症などにより骨が弱くなっている高齢者は、軽微な転倒でも脊髄を損傷するリスクが高いです。
4.× 発症者の年齢は20歳代が最も多い。
- 上記の理由から、高齢者の発症率が最も高いです。若年層では、交通事故やスポーツ中の事故などが原因となる場合もありますが、高齢者層に比べると発生率は低いです。
5.× 頸髄損傷では完全麻痺者の比率が高い
頸髄損傷における完全麻痺と不完全麻痺の割合ですが、正確な数値はデータによって若干のばらつきがあります。しかし、概ね以下の傾向があると考えられます。
完全麻痺:約40~50%
不完全麻痺:約50~60%
90 骨粗鬆症で正しいのはどれか。
1.女性より男性に多い。
2.遺伝的要因は影響しない。
3.続発性より原発性が多い。
4.骨折は大腿骨近位部が最も多い。
5.日本の患者数は約100万人である。
答え
3
1.× 女性より男性に多い。
女性ホルモン(エストロゲン)の減少が骨量減少に大きく関わるため、閉経後の女性に多くみられます。
2.× 遺伝的要因は影響しない。
骨密度は遺伝的要因の影響を受けます。家族に骨粗鬆症の人がいる場合は、注意が必要です。
3.〇 続発性より原発性が多い。
正しいです。原発性骨粗鬆症は、加齢や閉経に伴うホルモンバランスの変化などが原因で起こります。続発性骨粗鬆症は、特定の疾患や薬剤の使用などが原因で起こりますが、原発性の方が一般的です。
4.× 骨折は大腿骨近位部が最も多い。
骨粗鬆症による骨折は、発生頻度が高い順に、
脊椎
橈骨遠位端(手首)
大腿骨近位部(股関節)
となります。
5.× 日本の患者数は約100万人である。
日本の骨粗鬆症患者数は約1,000万人以上と推定されています。
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